サクラマス 2019 ① 九頭竜川 佐藤 アキラ


九頭竜鱒 

 

レポート 佐藤 アキラ

 

 

~サクラマス地獄~ ①

   

2019年、私のトラウトストーリーは黒部川サクラマス漁落選から始まった。

もちろん心の準備はできていましたが、やはりつらい。

 

そんな落胆している私をあざ笑うかのように当選した橋本氏が『もし釣れなかったら』

 

などと、弱音を吐いていたので『釣れないはナシでしょ』と

うらやましい気持ちを握りつぶして橋本氏にプレッシャーをかけておいた。

 

そんな訳で私が選んだ今年の勝負河川はサクラマスの聖地であり登竜門でもある

九頭竜川なのだが、その一尾を手にすることは難しく、

数年間アタリもないアングラーも珍しくいない。

果たして、サクラを咲かせることが出来るのだろうか?

 

平成最後の春、いつもの年なら繁忙期がGW近くまで続くが、今年は比較的早く

繁忙期が終わり、幸運にも九頭竜川ベストシーズンに間に合った。

 

ただし、難攻不落の九頭竜川をどう攻略するかだ!

 

四国吉野川で多くのサツキマスを手にしてきた私が今シーズン3尾は釣らないと

四国のサツキマスアングラーに申し訳が立たないという思いが込み上げる。

 

そんなプレッシャーを微塵も感じない私は、矢沢永吉さんの『ワッケンロール』を

聴きながら上機嫌で九頭竜川へ向かった。

 

平成も残すところ約1か月、ハイシーズンの九頭竜川は

多くのアングラーで賑わっていた。

 

私は手始めに越前フィッシングセンターさんで年券を購入

そして一昨年買ったランディングネットで2匹釣れたジンクスを信じて

一番デカイランディングネットを購入し、必釣を誓った。

 

(ちなみに去年は黒部のフィッシングジョーズさんでネットを購入して釣れました♪)

しかしこのあと、頼るものがジンクス以外に何もない私は

情報に踊らされる羽目に。

 

下流域が好調という情報を得た私は各ポイントを廻るものの人も多く

 

思ったように釣りを展開することが出来ない。

 

早朝より狙い絞ったポイントで釣りを開始しても、対岸で釣られ

隣で釣られ、移動すればそのあと釣られ、心が折れそうになりながらも釣りを続けた。

 

そんなある日の朝、対岸で深夜より場所取りをしていたアングラーの隣に

遅めに河原へ降りてきたアングラーが軽く挨拶をかわして釣り開始。

 

その1投目にサクラマスがヒット!釣ったアングラーが申し訳なさそうに会釈をした後

深夜より場所取りをしていたアングラーは姿を消した。

 

またある日の朝、対岸のアングラーがランディング寸前でサクラマスを逃した。

しばらくしゃがみ込んでうなだれていた。

 

少し下流のポイントでは空のストリンガーをぶら下げて岸際を行ったり来たり。

どうやらせっかく釣ったサクラマスに逃げられたらしい。

そんなドラマが当たり前のように毎日繰り広げられている。

 

肝心の私の釣果は未だアタリすらない。

希望が絶望へと変わり、釣れないアングラー同士慰めあおうと

素人オーラ出しまくりアングラーに声をかけるものの

2本釣りましたよ』

と、その言葉に『おめでとうございます』と笑顔を取り繕うも

私の精神は崩壊寸前であった。

 

そんなある日、私の近くでサクラマスを釣ったアングラーが!

よく見ると、地元のスペシャリストH氏ではないか!

早速情報を得ようと話しかけると、快く答えてくれた。

 

その言葉は、細かいテクニック論ではなく、もっと大きな意味合いをもったものだった。

そして、その言葉の重みを感じることが出来た私は勝負に出た。

 

ある日の夕方、今シーズン不調である上流域のとあるポイントが目に入った。

翌朝、実績がないのか?誰もいないポイントで勝負するもアタリもない。

 

しかし、私の心は揺らいではいなかった。

次の日の朝、狙いを絞ったピンポイントで遂に九頭竜鱒がヒット!

至福の瞬間が訪れ、しばらくしてほっと一息ついた。

 

 

ミウラデザイン サクラマス 九頭竜川

61㎝の美しいサクラマス)

 

H氏のアドバイスに感謝、それを生かせた自分にご褒美♪

しかし、気が付けば代掻きシーズン。

ますます厳しくなっていく状況の中、ノルマ達成できるのか?

四国のサツキマスアングラーの腕が試される。

 

 

続く。