アカメ物語4

 

~聖地の詩~

佐藤 アキラ

『中毒』

置かれた状況になれて特に変わったことだとは感じなくなること。また、あるものへの依存が強く、ちょっとでも不足すると非常に強い飢餓感をもつこと。

 

まさにソレです。

 

橋本氏には『廃人』と言われ、

本来この時期休みなど取れないのですが、仕事先には私の身代わりを送り込み

お盆以降ほぼ毎週四万十通いが続きます。

そして、今宵も私の主力オールドシリーズが活躍するのです。

 

私の、アカメに対するフィッシングスタイルも確立しつつあり、

感度は悪いが、少々乱暴に扱っても平気なロッドに、

カーボンドラグワッシャーとの出会いで飛躍的に向上したオールドリール。

海外製を除き、ほとんどが現在製造されていないルアーたち。

 

60LBのハサミをもつスペシャルバージョンの海外製フィッシュグリップは、

建設現場用のワイヤーロープで私の胴体に結ばれているのです。

ただ、気がかりなのは80LBのフロロカーボンリーダーに、

FGノットで結ばれた50LBPEライン。

 

以前はナイロンラインで勝負していましたが、

これは、アカメにとって脅威でありアングラー側からすれば

木製バットから金属製バットに持ち替えたプロ野球選手と同じではないのか?

しかし、不用意なラインブレイクを防ぐには致し方ない選択かもしれません。

 

野球にも聖地があります。

それを守る厳格なルールもあります。

しかし、定められた白球と木製バットでプレーする相手に対し

 

フェアな気持ちがなければ聖地を守ることはできません。

 

 9月某日、友人と四万十川へ。

 

 

先週、その友人の目の前で87㎝のアカメをキャッチし、天狗になっている私は

最低20キロは釣りたいと、まだ明るい夕マズメ前の四万十川で

『デカイのがくるのはこんな状況かも!?』と語った1投目。

 

根がかりが動いた!

鈍重な動きは、巨大ニベアカメか!?

しかし、ココには巨大なエイも生息している。

その巨大魚はエラ洗いをしないが時にシャープな動きをみせる。

先月ばらした大型アカメもこんな動きをしていた。

 

私『これはエイじゃないな。エイも何度も釣ったがこれはエイじゃない。』

私『たぶんアカメ。しかもデカイぞ!』

 

友人『お前スゴイな』

私『まぁな 長いこと釣りやってるからな』

しばらくして、その巨大魚が姿を見せる。

 

友人『お前やらかしたな』

 

私『・・・』

 

巨大アカメを確信し、高ぶる興奮を無理やり抑えていた私の目の前に現れた

 

巨大エイに言葉を失った。

 

その後は状況も悪く、ノーフィッシュも覚悟したが

ヒラスズキ道で習得した夜が白みだす直前のワンバイトを狙う。

そのチャンスはいつも突然やってくる。

 

時合は短く、1匹キャッチして東の空を見ると、わずかに白みだしていて

それで終わってしまう。

 

特に波静かで全く当たりのない日に効果がある。

合図は『コケコッコー!』

 

そして奴はきた!

アカメ ミウラデザイン レア レアフォース 

アカメ 84cm 9.16

ミウラデザイン アカメ レア レアフォース 佐藤亮 

アカメ 93cm 8.20

アカメ 74cm 8.21

アカメ 87cm  9.10

 

アベレージサイズだが、エイでないことが非常にうれしい。 

一部始終を見ていた友人が

 

『お前、ヒットした瞬間ニヤーッと嬉しそうにしてたぞ』

『エイでなかって良かったな』と

 

やれやれ、汚名返上とまではいかないまでも

なんとか本命をキャッチできたことに胸をなでおろす。

なぜなら、エイで終わっていたら友人に何を言われるか・・・

そんな友人は言葉を選ばない。

 

以前うなぎ専門店で特上うな重をおごってやった時

友人『これっ吉〇家のうな重と何がちがうんや!おれにやわからんがぁ』

 

店主がそばにいるのにだ!

この男、誕生日も私と1日しか違わない。

ただ、扱える人も私を含め、わずかだ。

 

話はそれましたが、このようにアングラーたちを楽しませてくれる

 

聖地四万十川を、私たちは守っていくことが出来るのだろうか?

 


※このページのアカメ釣果は8月後半から9月上旬をまとめたものです。

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